能勢で初詣といえば能勢妙見山。能勢妙見山の正式名称は「無漏山眞如寺境外仏堂能勢妙見山」といい、能勢地黄にある「眞如寺」の飛び地境内となっています。その真如寺の東方約1Kmには「妙見山奥の院」があります。
古来からこの「真如寺」「奥の院」「妙見山」の三カ所を行脚することは、その功徳が絶大とされ、「戒(戒め)」「定(精神の安定)」「慧(知恵)」の三つの徳が円満になると言われてきました。2020年元旦の初詣として、この三ヶ所を回ってみました。
能勢電妙見口から阪急バス「奥の院」で下車すると、すぐに参道の入り口です。地黄城跡を右手に見ながら坂道を登ります。
春になると桜がきれいな参道です。野鳥のさえずりを聞きながら。
参道を登りきったところに最初の参詣ポイント、真如寺がありました。大阪で唯一日蓮聖人の御真骨が安置されているそうです。
お正月飾りがされた門をくぐり抜けるのは気持ちがよいですね。
「一年の計は春にあり、一月の計は朔にあり、一日の計は鶏鳴にあり」何事も初動が肝心ということですね。そんな「戒」を意識しながら、お参りしました。
真如寺の先に続く道を登っていきます。いにしえの参詣者が歩いていた当時と、おそらく変わらないであろう山道。歩いているとタイムスリップしたような気分になります。
このような道標が残されています。丁石と呼ばれるものです。奥の院まで九丁。1丁はおよそ109m。
たどり着いた奥の院は閑寂な空気が満ちていました。初詣の賑わいと対象的な、侘び寂びを感じる元旦もよいものです。
狛犬の足元にお花が飾られていました。
誰もいない、ひっそりとした境内。
ベンチがありました。木がうっそうと繁茂していて残念ながら眺望はありません。
三寺のうち、二寺はわりとスムーズに参詣できました。残りの妙見山を目指して進みます。
途中に出てくる今谷池という池の周りは、ピクニックに良さそうなスポット。薪パンと一緒に野点コーヒーはどうだろうか。
野間大原の集落が見えてきました。
大原の棚田を下って行きます。
大原を抜け野間中に入ります。
民家の間を通り抜け、野間川の川沿いを歩きます。
民家がなくなってきて、再び山道に入っていきます。
もう殆ど歩く人もいないのでしょう。かなり荒れています
道というか藪ですが気にせず進んでいきます。
すみよし茶屋の前の道路に抜けました。車道を少し歩き、再び山道に入っていきます
山道を少し進むと、眼前に傾斜のきつい階段が出現しました。
この階段、極端に踏面が狭いので大きな足の人は要注意です。踏み外すと奈落。
なんとか登りきりました。
熊野古道のような雰囲気ある山道を進んでいきます。
路傍の苔に癒されます。
南無妙法蓮華経と彫られた石。しめ繩がとてもかっこいい。
この辺りまで登ってくると、杉ばかりだった森にブナの木(右側)が現れるようになります。
ついに妙見山山頂に。到着を祝うように太陽の光が。
元旦ということもあってたくさんの参詣者で賑わっていました。
本殿にお参りしました。三徳円満!最高の気分です。
ランチは奥山茶屋のおにぎりセット。中の具材は蕗と梅干しを選択。味噌汁もキノコたっぷりでおいしい。
寂しい山道を歩いてきたからかでしょうか、お正月の賑わいが心に沁みました。
妙見山の賑わいを背中にして、再び山道に入ります。大堂越えで下山です。
ありなしの道を歩いて帰りたいので、あえて左を選択。
ゴツゴツした石の上を歩きます。
かわいい手書きの看板。
黒川ケーブル駅につきました。
ここからは川西黒川を経由して、ありなしの道を歩いて野間の大ケヤキを目指します。
日本一の里山、黒川は「ほっこり感」があふれています。歩いていて楽しい道です。
柿が落ちずに少し残っていました。絵のように美しい風景。
桜の森のゲートには門松が設えてありました。通らせていただきます。
分岐の道標を頼りに歩みを進めます。桜の咲く頃にまた来たいです。
ありなしの道は、距離こそ短いですが変化に富んでいて飽きません。
疲れた足にやさしい、フカフカ落ち葉の絨毯。
手作りの看板はだいぶ傷んでいました。
ありなしの道のビューポイント。東郷村が見渡せる場所ですが、手前のソーラーパネルが少し目障りです。これも里山の現実。
山を降りきったところ、いきなり巨木が視界に飛び込んできました。ありなしの道のゴールは「野間の大けやき」。
昨年末に付け替えられた真新しい「しめ繩」。樹齢1000年のご神木に挨拶して、初詣の旅は終了。